2008.12.31 Wednesday
片想い
『片想い/東野圭吾』
十年ぶりに再会した美月は、男の姿をしていた。彼女から、殺人を告白された哲朗は、美月の親友である妻とともに、彼女をかくまうが…。十年という歳月は、かつての仲間たちを、そして自分を、変えてしまったのだろうか。過ぎ去った青春の日々を裏切るまいとする仲間たちを描いた、傑作長篇ミステリー。(書籍紹介より)
性同一性障害というテーマをもとに、男と女の隔たりとは何なのかを考えさせられる内容でした。戸籍を入れ替えても結局は反対側からの苦しみを味わうことになる、というのが非常に印象的です。男にもなりきれず、女にもなりきれない。そもそも男女という両極端に分けること自体が間違いで誰にでも二面性はがあり、その割合がどちら側よりか、ちょうど真ん中かということなのでしょう。まぁ現実問題としては男女平等、男女同一は難しいでしょうが、性同一性障害という言葉が世間に普及される以前に発表されているといういことは、この作品がその手助けにもなったんでしょうね。